大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(あ)1299 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意は、憲法三八条違反をも主張するけれども、被告人の所論自白

が強制によるものであるとのことを前提とするものであり、記録によるもその疑を

いだかしめる資料は存しないのであるから、前提において既に失当であり、同上告

趣意その余の点は、事実誤認の主張であつて、すべて、刑訴四〇五条の上告理由に

当らない。

弁護人小野喜件の上告趣意第一点は、量刑不当の主張、同第二点は、単なる伝令

違反の主張(被告人を無期懲役に処する場合においても、未決勾留日数を本刑に算

入することができないものではない。)であつて、何れも、刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。同第三点は、被告人に無期懲役刑を科することは憲法一三条、二五

条、三六条に違反すると主張するが、無期懲役刑が憲法三六条にいわゆる「残虐な

刑罰」に当らないことは、当裁判所の判例とするところであり(昭和二三年(れ)

第二〇六三号同二四年一二月二一日大法廷判決、刑集三巻一二号二〇四八頁)、ま

た、憲法一三条、二五条が刑罰権に対し不合理な制限を加えるものではないことは、

当裁判所の判例の趣旨とするところであつて(昭和二二年(れ)第二〇一号同二三

年三月二四日大法廷判決、裁判集一号五三五頁、昭和二二年(れ)第一〇五号同二

三年四月七日大法廷判決、刑集二巻四号二九八頁)、本件のように重大な犯罪に対

し無期懲役刑を科しても、所論の違憲があるものといえない。論旨は、これを採用

することができない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認め

られない。よつて、同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり判決する。

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昭和三六年一〇月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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